
肝臓病は、一見するといつもの状態のようにも見えるので見逃してしまいがちなところがあります。注意深く観察し、少しの異変にも「あれ?」と思い気にかけておくことが大切です。
また、一度かかってしまうと治りにくい病気でもあるので、まずは予防を徹底しておくことと、もしかかってしまった場合もその後のケアがとても重要です。
今回はそんな肝臓病についてどんな対応をしていくと良いのか、選ぶべきキャットフードのポイントも合わせてご紹介します。
食欲が落ちたり、脱水症状に陥ったり、発熱や下痢といった症状が見られます。これらは普段、ほかの要因で一時的になることでもあるので必ず肝臓病に繋がるわけではありませんが、注意すべき症状であることは確かです。
もしかしたら・・・と思った段階で病院に連れていくのがちょうど良いくらいです。
そもそも肝臓は解毒をする臓器。この臓器の働きが大切なのは言うまでもないことで、ここを悪くしてしまうとほかの病気も引き寄せてしまいます。
さて、早めに病院に連れていくことのほかに私たちにできることは何でしょうか。
それは、日々与えているキャットフードを改善していくことです。臓器が弱っているところに質の悪いキャットフードを与えたりすればダメージは重なる一方で、嫌がる薬を頑張って飲ませてもまた元に戻ってしまうでしょう。
まず根本的なところから改善をしていくことが、肝臓病と向き合う第一歩になります。
3-1.原材料をしっかり見る
添加物等の不要な成分を極力避けた、良質なタンパク質を含むキャットフードを与えると良いでしょう。
良質なタンパク質とは主に動物性のものを指しますが、最近では植物性のタンパク質でも良いとされているようです。
本来の猫の食事からすれば動物性のタンパク質の方が吸収する、という見方が多かったのですが、最近ではキャットフードの質も高まり、植物性のタンパク質を摂っても十分消化吸収できるようになりました。
動物性タンパク質は肉類(チキンやポークなど)、魚類などから、植物性タンパク質は大豆などから得られます。
キャットフードの成分表を見た時、これらの原材料が最初に書かれているものを選びましょう。
3-2.プレミアムフードから選ぶ
一般的なキャットフードは保存料や合成着色料といった本来必要のない成分が入っていることが多いので、プレミアムフードから選ぶのが良いです。
プレミアムフードは良質なタンパク質を多く含んでいるだけでなく、添加物をほとんど入れずに作ることを目的としているので、これだけでも粗悪な原材料を抑えることができます。
3-3.タンパク質の量に注意
ただ、タンパク質が良いからといって摂りすぎるのはかえって危険です。
摂りすぎたタンパク質はアンモニアを発生させる原因になり、それが肝臓に負担をかける原因になるからです。
キャットフードには、猫の体重に比例した一日あたりのキャットフードの目安が記載されているので、それ以上無理に与える必要はありません。
目安量はフードの種類により異なります。
カロリーでいえば、成猫の平均体重4kg程度なら一日およそ280~320kcal程度を目安にあげてください。
体重1kgに対し70~80kcalがちょうど良いといわれていますので、体重の増減に合わせて臨機応変に対応しましょう。
詳しくはキャットフードに記載されているので、そちらを参考にすると良いですね。
あくまでも良質なタンパク質を摂ることと、成分表に添加物の記載がなくタンパク質を含む原材料が先頭に記載されているキャットフードを選びましょう。
最も安心なのは、獣医に相談して大丈夫と言われたものなら間違いありません。
肝臓病の原因はいくつも考えられ、ウイルス感染の場合もあればほかの病気から派生することもあります。完全室内飼いで病気から守っていたつもりでも、思わぬところで発症する場合もあるのです。
質の高いキャットフードは高価な分、なかなか手を出せない方も多いかもしれません。
ですが後々のことを考え、愛猫の負担を軽くできる可能性があるなら、将来かかる病院代より安いかもしれませんよ。
いつ、何が原因で発症するのかがはっきりしない分、日頃からできることを改善していくことが健康への近道ではないでしょうか。